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福岡で、CLT工法を用いた純木造の5階建てビルが建設されています。発表によると、日本初の取り組みとして位置づけられており、福岡県と共同で11月18日と26日に構造見学会を開く予定です。CLTは、板を繊維の向きが交差するように重ねて接着した木質材料で、壁や床など建物を支える部分に使われます。今回の計画は、木造の建物を住宅や低層施設にとどめず、都市部の中層ビルへ広げる試みです。見学会では、完成後には隠れる構造部分を確認できるため、設計者や施工者にとって、木材の使い方や現場での組み立てを具体的に学ぶ機会となります。

引用元: 【日本初※】 「純木造CLT工法5階建てビル」を福岡に建設中11月18日・26日、福岡県と共同で構造見学会を開催(PR TIMES)

分析・見解

5階建ての純木造は木材を構造材として使う範囲を広げる

CLTは、木の板を直交させて貼り合わせることで、厚みのある大きな板材にしたものです。床や壁、場合によっては建物を支える部材にも使えます。木造の中高層化では、木を内装に使うだけでなく、建物の骨組みとしてどこまで担わせるかが技術の要点です。5階建ての純木造が実現すれば、鉄骨や鉄筋コンクリートを主要な構造に用いない建築の選択肢を示す事例になります。ただし、建物の規模、用途、設計条件が異なれば同じ方法をそのまま適用できるとは限りません。

現場で確かめたいのは接合部と施工の段取り

CLTの大きな部材は工場で加工し、現場で組み立てる方法と相性がよい一方、部材同士をどうつなぐかが建物全体の性能を左右します。地震や風による力をどの接合部で受けるのか、施工誤差をどこで吸収するのか。見学会では、部材の大きさだけでなく、金物の納まり、床と壁の接続、設備配管を通す位置にも目を向けたいところです。現場での加工を減らせれば工期や廃材の抑制につながる可能性がありますが、設計段階での調整不足は、逆に手直しや工程遅れを招きます。

防火と遮音は用途ごとの設計で性能を確かめる

木造の中高層建築では、火災時に建物が必要な時間、構造を保てるかが重要です。CLTを使えば自動的に防火性能が確保されるわけではなく、部材の厚さや覆い方、区画の設計などを建物ごとに検討します。オフィスや宿泊施設では、階をまたぐ火や煙を防ぐ計画に加え、床の振動や上下階への音も利用者の評価を左右します。構造見学の段階で完成時の仕上げを想像し、構造材を見せる部分と保護する部分の区別を確認することが、意匠と安全性を両立する手がかりになります。

脱炭素効果は建設時の比較条件をそろえて判断する

木材は成長時に二酸化炭素を取り込むため、建築分野の排出削減策として期待されています。ただし、木造なら常に排出量が少ないと単純化するのは適切ではありません。木材の製造や運搬、建設時のエネルギー、建物の寿命、解体後の再利用まで含めて、比較対象と算定範囲をそろえる必要があります。今回のような実物件は、設計上の工夫と施工上の制約を検証できる点に価値があります。実績が蓄積されれば、木材の利用量だけでなく、維持管理や改修を含む長期の環境性能を評価する材料にもなります。

ビジネスへの影響

発注前に構造と運用の条件を同じ表で整理する

建物オーナーや事業者は、木造と他構造を比べる際、初期工事費だけで判断せず、工期、保険、維持管理、将来の改修まで含めて比較する必要があります。計画の初期に、用途、階数、必要な床面積、求める耐火性能、仕上げ方を設計者と共有してください。そのうえで、構造計算や防火計画の確認に加え、設備配管を通す場所や将来の間取り変更が可能な範囲を具体化します。木の構造を見せる意匠を望む場合は、仕上げで覆う場合との費用差や、定期点検の方法も見積もり条件に加えると、後からの変更を抑えやすくなります。

調達と工程は早期に確保し価格変動に備える

CLT建築では、設計に合う寸法や加工の部材を必要な時期に確保できるかが、工程と価格に影響します。発注者は設計を進めながら、供給可能な工場、製造枠、運搬経路、現場での揚重方法を確認するのが現実的です。部材の納期が通常の建材と異なる可能性を踏まえ、施工会社、設計者、製造者が早い段階で寸法や接合方法をすり合わせます。見学会は、完成後の写真では見えにくい施工手順や現場の制約を知る機会です。参加時には、工期の組み方、雨への備え、検査の手順、部材の変更が生じた場合の対応を質問し、自社案件の条件に照らして記録すると、次の計画の判断材料になります。

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